急なキズやケガにどう対処すればいいか迷っていませんか?
このページでは、ケガの発生原因から応急処置、その後の注意点までを網羅。正しい知識で、あなたのもしもの時をサポートします。

すり傷(擦過傷)

発生原因

  • 転倒や滑って地面・アスファルト・コンクリートなどに体をこする。
  • スポーツや運動中の接触や転倒。
  • 自転車やバイクの転倒事故。
  • 軽作業・掃除中に物に擦れる。
  • 小児の屋外遊び中のケガ。

応急処置の方法

  1. 1

    洗浄(重要)

    • 流水で土や砂・ほこりなど異物をしっかり洗い流す。
    • 石けんを使ってもよいが、傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないように、しっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2

    出血の確認と止血

    • 軽く出血している場合は、清潔なガーゼ等で圧迫止血する。
  3. 3

    保護

    • 清潔な傷の場合は、湿潤環境を保てる絆創膏やドレッシング材で覆う。受傷直後は感染予防のため、1 日数回傷を洗い、被覆材を交換するようにする。(湿潤環境を保ち密閉すると、細胞再生も促すが、細菌も増殖しやすいため。)
    • 地面で擦ったような汚れた傷や浸出液が多い傷は、ワセリンを塗り清潔なガーゼで保護する。
    • 交換時に被覆材・ガーゼと皮膚がくっついている場合には、ぬるま湯につけるなどして、注意深くガーゼを剥がす。
    • 抗生剤入りのワセリン基剤の軟膏を使っても良い。

注意点

  • 傷口を観察し、異物(砂・小石など)を残さないようにしっかり洗浄する。
  • 毎日清潔な状態に保ち、被覆材を交換することで湿潤環境を維持するのが良い(傷を乾かしすぎると「かさぶた」ができて治りが遅くなる可能性がある)。
    清潔に管理することが難しい場合は、被覆材で密閉せずにガーゼで保護する方が感染を防ぐことが出来る。
  • 感染の兆候(発赤・腫れ・膿・汚い浸出液・熱感)が見られたら早めに受診する。

切り傷(切創)

発生原因

  • 包丁・カッター・ハサミなどの鋭利な器具の使用中の不注意。
  • ガラスや金属片など鋭利な破片に触れる、または転倒による接触。
  • 工具や機械作業中の事故。
  • 紙や段ボールのエッジによる細かい切れ。
  • 野外活動中の枝・岩などによるひっかき傷。

応急処置の方法

  1. 1

    洗浄(重要)

    • 流水で異物をしっかり洗い流す。
    • 石けんを使って洗えると良い。傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないように、しっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2

    出血の確認と止血

    • 軽く出血している場合は、清潔なガーゼ等で圧迫止血する。
  3. 3

    保護

    • 清潔な傷の場合は、湿潤環境を保てる絆創膏やドレッシング材で覆う。受傷直後は感染予防のため、1 日数回傷を洗い、被覆材を交換するようにする。(湿潤環境を保ち密閉すると、細胞再生も促すが、細菌も増殖しやすいため。)
    • 肉を切った包丁や泥のついた刃物などによる汚れた傷や、浸出液が多い傷は、ワセリンを塗り清潔なガーゼで保護する。
    • 交換時に被覆材・ガーゼと皮膚がくっついている場合には、ぬるま湯につけるなどして、注意深く剥がす。
    • 抗生剤入りのワセリン基剤の軟膏を薄く塗ってガーゼを被せても良い。
    • 傷が深かったり、力を入れた際に傷口が横に広がる力が大きい部位だったりする場合は、縫合処置が必要な場合があるため受診する。
  4. 4

    安静

    • 出血がとまるまで傷に負担のかかる無理な動作を避ける。

注意点

  • 錆びた物・不衛生な物での切り傷は破傷風リスクがあるため、医療機関に相談する。
  • 深い傷や出血が止まらない場合は直ちに受診する。
  • 異物(ガラス片など)が残っている可能性がある場合は無理に取らずに受診する。
  • 傷口を触る手や道具は清潔に保つ。
  • 感染兆候(発赤・腫れ・膿・汚い浸出液・熱感)が見られたら早めに受診する。

刺し傷(刺創)

発生原因

  • 釘や画鋲、針などの鋭利な先端物による刺し傷。
  • 木片・金属片・ガラス片など突起物との接触・転倒時の突き刺し。
  • 工具や農機具などによる作業中の事故。
  • 鉛筆・コンパスなど文房具による小児の事故。

応急処置の方法 ※傷を観察し、浅い傷か深い傷かで対応が分かれる。

(1)浅い傷の場合

  1. 1
    刺さったものを抜き、流水で洗浄(重要)
    • 流水で異物をしっかり洗い流す。
    • 石けんを使って洗えると良い。傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないように、しっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2
    出血の確認と止血
    • 出血している場合は、清潔なガーゼ等で圧迫止血する。
  3. 3
    保護
    • 清潔な傷の場合は、湿潤環境を保てる絆創膏やドレッシング材で覆う。受傷直後は感染予防のため、1 日数回傷を洗い、被覆材を交換するようにする。(湿潤環境を保ち密閉すると、細胞再生も促すが、細菌も増殖しやすいため。)
    • 泥のついた工具・農機などによる汚れた傷や、浸出液が多い傷は、ワセリンを塗り清潔なガーゼで保護する。
    • 交換時に被覆材・ガーゼと皮膚がくっついている場合には、ぬるま湯につけるなどして、注意深く剥がす。
    • 抗生剤入りのワセリン基剤の軟膏を使っても良い。

(2)深い傷の場合

  1. 1
    刺さったものは抜かず、受診する
    • 血管や神経を損傷している恐れがあるため、自分では処置しない。

注意点

  • 深い刺し傷や動物・不衛生なものによる刺創は医師の診察が必要とする。
  • 刺さったものが土などで汚染されていると破傷風のリスクがあるため、医療機関に相談する。
  • 傷口が小さくても内部に感染が広がることがあるため軽視せず、受傷後も経過観察する。
  • 感染の兆候(発赤・腫れ・膿・汚い浸出液・熱感)が見られたら早めに受診する。

裂挫創(れつざそう)

発生原因

  • 鈍い力(にぶい衝撃)によって皮膚や皮下組織が裂けることにより発生する。
  • 転倒時にコンクリートや地面に強く打ちつける。
  • ドアや重い物に挟まれる、ぶつかる。
  • 工場機械・スポーツ・交通事故による強い圧迫や衝撃。

応急処置の方法

  1. 1

    洗浄(重要)

    • 流水で土や砂・ほこりなど異物をしっかり洗い流す(傷が深い場合には無理にこすらず、医療機関で処置を受ける)。
    • 石けんを使って洗えると良い。傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないように、しっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2

    出血の確認と止血

    • 軽く出血している場合は、清潔なガーゼで軽く圧迫止血する。
  3. 3

    . 医療機関受診(推奨)

    • 傷口周囲の損傷が高度なことが特徴であり、傷口をきれいに治すには、痛んだ組織を一部切除(デブリドマン)した上で縫合することもある。
    • 傷口の汚染も激しいことがあり、受傷初期に十分な洗浄と、抗菌薬投与が必要な場合がある。

注意点

  • 裂挫創は見た目より深く損傷していることが多いため、早期の医療処置が重要である。
  • 異物が入り込みやすく、感染リスクが高い(破傷風・細菌感染など)。破傷風ワクチンの接種歴が不明な場合は、医師に相談する。
  • 傷が不整形で皮膚がめくれている場合、縫合や形成が必要なこともある。
  • 傷口を触る手や道具は清潔に保つ。

★応急処置をして、すぐに医療機関を受診してください。

打撲創(挫滅創)

発生原因

  • 転倒や衝突(家具、壁、地面、スポーツ中の接触プレーなど)による強い衝撃。
  • 重い物をぶつける・落とす。
  • 交通事故や作業中の機械との接触。

応急処置の方法 ※打撲の処置の基本「RICE処置」

  1. 1
    安静(Rest)
    • 動かさず、患部への負担を最小限にする。
  2. 2
    冷却(Ice)
    • 氷や保冷剤をタオルに包み、患部を冷やす(15〜20分程度)。
      ※大腿など大きい患部は20分程。指などの小さい患部であれば凍傷予防のため、より短時間で良い。
  3. 3
    圧迫(Compression)
    • 包帯や伸縮性のあるサポーターで軽く圧迫する(腫れ軽減のため)。
      ※強すぎる圧迫は、血行障害や神経障害の原因となるため要注意。
  4. 4
    挙上(可能な場合)(Elevation)
    • 心臓より高い位置に患部を上げる(腫れ軽減のため)。
  5. 5
    必要に応じて鎮痛剤使用
    • 市販の鎮痛薬で痛みを緩和。

注意点

  • 出血・傷口がある場合は、まず洗浄と止血(傷の処置)を優先する。
  • 「患部を動かせない・変形がある・内出血が広範囲に広がる」という場合は骨折の可能性があるため、医療機関を受診する。
  • 数日たっても腫れ・痛み・可動制限が改善しないときは医療機関を受診する。
  • 高齢者や糖尿病患者は血流障害による治癒遅延に注意が必要である(医療機関受診を推奨)。
  • 冷やしすぎによる凍傷に注意する(保冷剤はタオルなどで包み、直接皮膚に当てない)。

★応急処置をして、医療機関を受診しましょう。

ひっかき傷

発生原因

  • 猫や犬などの動物の爪によるひっかき。
  • 爪で無意識に皮膚をかく(かゆみや湿疹、ストレスによる掻破)。
  • 子ども同士の遊び中の接触や引っかき合い。
  • 木の枝や草むらでの自然物との接触。
  • 金属製のフェンスや壁などに接触した際の擦過。

応急処置の方法

  1. 1

    洗浄(重要)

    • 流水で異物をしっかり洗い流す。
    • 石けんを使って洗えると良い。傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないようしっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2

    出血の確認と止血

    • 軽く出血している場合は、清潔なガーゼで軽く圧迫止血する。
  3. 3

    保護

    • 抗生剤入りのワセリン基剤の軟膏を薄く塗ってガーゼを被せる。感染リスクの高い傷は、原則的には密閉しない。
    • 動物やヒト(不潔な爪など)が原因で無く、感染リスクの低い物による清潔な傷の場合は、湿潤環境を保てる絆創膏やドレッシング材で覆ってもよいが、感染の兆候(発赤・腫れ・膿・汚い浸出液・熱感)がないか観察を要する。
  4. 4

    経過観察

    • 毎日傷の状態を確認し、洗浄やガーゼ等の交換により清潔を保つ。

注意点

  • 動物に引っかかれた場合、狂犬病や猫ひっかき病などの感染症リスクあり、抗生剤内服を検討する必要があるため医療機関に相談する。
  • ひっかいた爪が不潔な場合は感染リスクが高いため注意する。
  • 感染の兆候(発赤・腫れ・膿・汚い浸出液・熱感)が見られたら早めに受診する。

咬傷(咬みきず)

発生原因

  • 犬や猫などのペットに噛まれる事故。
  • 野生動物との接触。
  • 興奮状態の動物への接近・無理な扱い。
  • 人間同士のけんかや、保育・介護中の咬みつき。

応急処置の方法

  1. 1

    洗浄(重要)

    • 流水で異物をしっかり洗い流す。
    • 石けんを使って洗えると良い。傷口はこすらず泡で優しく洗い、石けんが残らないようしっかり洗い流す。
    • 清潔なガーゼ等で水分を軽くふき取る。
  2. 2

    出血の確認と止血

    • 出血している場合は、清潔なガーゼ等で圧迫止血する。
  3. 3

    医療機関の受診

    • 可能な限り早く医療機関を受診する(動物種や傷の状態により抗生剤やワクチン、血清投与が必要な可能性が高い)。

注意点

  • <特に注意>咬傷を受傷したら、原則受診するべきである。
  • 咬傷は感染症のリスクが高く、他にも毒やアナフィラキシー(ハチ、ムカデ、ハムスター等)による全身症状が現れることがある。
  • 人間に噛まれた傷は、特に感染症リスクが高い。
  • 小児や高齢者、免疫力の低い人は特に注意が必要。

★応急処置をして、すぐに医療機関を受診してください。

ひびわれ(かかと)

発生原因

  • 角質層への刺激により、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚から水分が失われ、乾燥することにより起こる。
  • 空気の乾燥や寒冷な気候による皮膚の水分不足(冬場や冷暖房の影響)。
  • 栄養不足や血行不良、加齢。
  • 皮膚に過度な負担がかかる環境(過度の角化)。
  • その結果、皮膚のターンオーバーが乱れ、角質肥厚(角化)が起こる。
肌のバリア機能が正常な皮膚と低下した皮膚の比較図

応急処置の方法

  1. 1

    患部の洗浄(清潔を保つ)

  2. 2

    保湿ケア

    • ワセリンや保湿クリームを塗って乾燥を防ぐ。乾燥や角化が強い時には、尿素を含むものも良い(角質を柔らかくする効果があるため)。
    • 保湿剤は頻回に塗る。
  3. 3

    適度なピーリング

    • 過度にやりすぎると皮膚を傷つけるため、削りすぎに注意する。セルフケアの範囲で行うのであれば、ボディスクラブ・フットスクラブは手ごろに使いやすい。
  4. 4

    夜間の集中保湿

    • 就寝前に保湿し、靴下などで保湿状態をキープする。
    • 就寝前に創傷被覆材(ワンタッチパッド等)パッド部に保湿クリームを塗り、患部に貼ってナイトケア。
    • 部屋を加湿し、乾燥を防ぐ。

注意点

  • ひびわれが悪化すると亀裂が深くなり、あかぎれとなって出血・感染の原因になる。
  • 保湿は 1 日数回、継続的に行うことが予防にも効果的。

★ケアをしてもなかなか良くならない場合には、白癬(水虫)の可能性もあるため、皮膚科を受診しましょう。

こんな時(キズ・ケガ)にはこの商品

あかぎれ

発生原因

  • 角質層への刺激により、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚から水分が失われ、乾燥することにより起こる。
  • 空気の乾燥や寒冷な気候による皮膚の水分不足(冬場や冷暖房の影響)。
  • 手洗いや水仕事のしすぎ、消毒の繰り返しによる皮脂の減少。
  • アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患。
  • 栄養不足や血行不良、加齢。
肌のバリア機能が正常な皮膚と低下した皮膚の比較図

応急処置の方法

  1. 1

    患部の洗浄(清潔を保つ)

    • ぬるま湯で優しく洗う(ゴシゴシ洗いは避ける。また温度の高い熱いお湯は、バリア機能にダメージを与える)。
  2. 2

    保湿ケア

    • ワセリンや保湿クリームを塗って乾燥を防ぐ。乾燥や角化が強い時には、尿素を含むものも良い(角質を柔らかくする効果があるため)。
    • 保湿剤は頻回に塗る。
  3. 3

    保護

    • 絆創膏や保湿用パッドで保護する。
    • 水仕事をする際には、ゴム手袋を着用する。
  4. 4

    ※夜間の集中保湿

    • 就寝前に保湿し、手袋等で保湿状態をキープする。
    • 部屋を加湿し、乾燥を防ぐ。
ステージ別手荒れ対処法の図

注意点

  • 皮膚のバリア機能がダメージを受けているため、出血・感染の原因になる。
  • 痛みや赤み、膿が出る場合は細菌感染の可能性があり、受診が必要である。
  • 保湿は1日数回、継続的に行うことが予防にも効果的。
  • 刺激の強い石けんや洗剤の使用を控える、または手袋で保護する。

さかむけ / ささくれ

発生原因

  • さかむけ/ささくれは、爪まわりの皮膚が乾燥して、角質がめくれ上がってしまっている状態。キズは小さいが、洋服の繊維などにひっかけてむけてしまうと激しい痛みを伴う。
  • 角質層への刺激により、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚から水分が失われ、乾燥することにより起こる。
  • 空気の乾燥や寒冷な気候による皮膚の水分不足(冬場や冷暖房の影響)。
  • 手洗いや水仕事のしすぎ、消毒の繰り返しによる皮脂の減少。
  • 栄養不足や血行不良、加齢。
  • 甘皮(キューティクル)の無理な処理や爪の周囲の刺激。
肌のバリア機能が正常な皮膚と低下した皮膚の比較図

応急処置の方法

  1. 1

    清潔なハサミや爪切りでささくれを根元から切る

    • 無理に引っ張らない(悪化・出血・感染の原因)。
  2. 2

    傷口を洗浄し、清潔に保つ

    • ぬるま湯と石けん、または清潔な流水で洗う。
  3. 3

    保湿ケア

    • ワセリンや保湿クリームを塗って乾燥を防ぐ。
    • 保湿剤は頻回に塗る。
  4. 4

    保護

    • 絆創膏や保湿用パッドで外部刺激を遮断(被覆材を貼る際には、患部に保湿剤などはつけずに)。
    • 水仕事をする際には、ゴム手袋を着用する。
  5. 5

    夜間の集中保湿

    • 就寝前に保湿し、手袋や靴下で保湿状態をキープする。
    • 部屋を加湿し、乾燥を防ぐ。

注意点

  • さかむけ/ささくれを無理にむしらない(出血・化膿の原因)。
  • 指先の保湿ケアを習慣化することが予防にもつながる。
  • 化膿(赤く腫れる・膿が出る)した場合は医療機関を受診する。
  • 栄養バランスの良い食事を心がける。
  • 爪切りやハサミの刃先は消毒してから使用すること。

まめ(主に手)

発生原因

  • 手のひらでの工具や楽器の使用、スポーツ(テニス・バドミントンなど)による摩擦刺激。
  • 長時間の作業やトレーニングによる皮膚への反復的な負荷。

応急処置の方法

  1. 1

    まめの原因となっている動作を中止し、摩擦を止める

  2. 2

    まめが破れていない場合

    • そのまま保護(潰さない)。
    • 流水で洗浄する(傷口やその周りの汚れがひどい場合は石けんを使用して良いが、しっかり流す)。
    • 被覆材(清潔なガーゼや絆創膏、ハイドロコロイド絆創膏など)で覆い、摩擦を防ぐ。
  3. 3

    まめが破れた場合

    • 流水で洗浄する(傷口やその周りの汚れがひどい場合は石けんを用いても良いが、しっかり流す)。
    • 皮は無理に剥がさず傷口にかぶせるように残し、その上から被覆材(清潔なガーゼや絆創膏、ハイドロコロイド絆創膏など)で保護する。

注意点

  • 無理に潰さない。
  • 潰れてしまった場合は、滅菌ガーゼなどで清潔に保護する。
  • 感染兆候(赤み・熱感・膿など)がある場合は早めに受診する。
  • 再発防止のため、手袋のフィット感や素材を見直し、まめができやすい部位には、事前に保護パッドやテーピングを活用しても良い。

靴ずれ(足)

発生原因

  • 長時間の歩行・ランニング・登山などによる皮膚と靴の繰り返し摩擦。
  • 合わない靴・硬い靴・靴下のずれなどによる局所的な圧迫。
  • 長時間の作業やトレーニングによる皮膚への反復的な負荷。

応急処置の方法

  1. 1

    合わない靴の着用や原因となる動作を中止し、摩擦を止める

  2. 2

    まめが破れていない場合

    • そのまま保護(潰さない)。
    • 流水で洗浄する(傷口やその周りの汚れがひどい場合は石けんを使用して良いが、しっかり流す)。
    • 被覆材(清潔なガーゼや絆創膏、ハイドロコロイド絆創膏など)で覆い、摩擦を防ぐ。
  3. 3

    まめが破れた場合

    • 流水で洗浄する(傷口やその周りの汚れがひどい場合は石けんを使用して良いが、しっかり流す)。
    • つながっている皮は無理にちぎらず傷口にかぶせるように残し、その上から被覆材(清潔なガーゼや絆創膏、ハイドロコロイド等)で保護する。

注意点

  • 無理に皮をはがさない。
  • 皮が破れてしまった場合は、滅菌ガーゼなどで清潔に保護する。ワセリンを塗っても良い。
  • 傷の清潔を保つため、定期的に傷の洗浄をする。
  • 感染兆候(赤み・熱感・膿など)がある場合は早めに受診する。
  • 再発防止のため、靴のフィット感や靴下の素材を見直し、靴ずれ(足)ができやすい部位には事前に保護パッドやテーピングを活用してもよい。

魚の目(鶏眼<けいがん>)

発生原因

  • 慢性的な物理的圧迫により、局所的に角質層が厚くなる。足底に生じやすい。
  • サイズの合わない靴(特にきつい靴・ヒール)の長時間着用。
  • 歩き方や姿勢の癖による足裏の一点への負担集中。
  • 長時間の立ち仕事や歩行。
  • 足の骨格や変形(外反母趾・扁平足など)による荷重バランスの崩れ。

応急処置の方法

  1. 1

    患部の圧迫を避ける

    • クッションパッドや保護パッドを貼って摩擦・圧力を軽減する。
  2. 2

    市販の魚の目用外用薬を使用

    • サリチル酸を含むパッチを2~3日貼り、芯(核)を柔らかくする。
    • パッチの薬品のついた部分が、むやみに周囲に広く付かないようにする(芯を狙う)。
      ※周囲の正常な皮膚にも作用して皮膚が傷んでしまうため
  3. 3

    芯(核)を取り除く

    • 数日して芯(核)が柔らかくなり、取り切れそうであれば清潔なピンセットで取り除く。芯(核)は想像より深い場合もあるため、取り切れなければ、医療機関で取ってもらう(推奨)。
  4. 4

    保湿(予防)

    • 硬くなった足裏の皮膚に保湿剤を習慣的に塗る。

注意点

  • 無理に削らない(出血・感染の原因になる)。
  • 魚の目は芯(核)が真皮側へ進入していくことで痛みを生じる。痛みが強い、歩行に支障がある場合は医療機関に相談する。
  • 糖尿病や血行障害のある人は自己処理せず医療機関を受診する(感染リスクが高いため)。
  • 再発防止には、慢性的な物理的圧迫の改善のために靴の見直し・インソールの使用を検討する。
  • 魚の目とウイルス性いぼ(尋常性疣贅)は見分けが難しいこともあるため注意する。

魚の目・たこ・いぼの識別方法

魚の目(鶏眼) たこ(胼胝) いぼ(尋常性疣贅など)
見た目 中央に芯のような硬い部分(核)がある円形の角質肥厚。その芯(核)が魚の目のような外観を呈する。 正常皮膚面と同高かやや厚くて平らな角質肥厚を呈する。 表面がザラザラ・ぶつぶつで突起状。数㎜~1㎝大の乳頭状小結節を呈する。
痛み 芯が神経を圧迫するため、押すと強く痛む。 通常痛みはないが、圧が強いと痛むこともある。 痛みはほぼない。
発生部位 足の裏や指の間など、圧迫や摩擦が集中する場所 足の裏や手のひらなど、繰り返し圧力がかかる部位 手掌、足底、顔面、頸部など、どこにでも発生しうる。
原因 合わない靴などによる局所的な圧迫や摩擦 摩擦や繰り返しの機械的刺激 角化細胞へのヒトパピローマウイルス(HPV2/27/57型)によるウイルス感染。
表面 比較的滑らかで硬い。 広く、黄色っぽく、硬くてざらつくことがある。 不規則な形で盛り上がり、顔面や頸部では糸状に細長く突出する。
識別 圧迫部に一致して生じる。 基本痛みがない。足の裏以外にも、身体のあちこちにできる(ペンダコ、座りダコ、子供の「吸いダコ」など)。 角層を削ると点状出血が見られやすい。
うおのめ:皮膚内部に向かって、苦ザビがたいん入り込むので痛みを感じる たこ:皮膚表面に丸く突出

こんな時(キズ・ケガ)にはこの商品

たこ(胼胝<べんち>)

発生原因

  • 同じ場所への慢性的な摩擦や圧迫(歩行・作業など)(正座による座りダコ)。
  • 合わない靴(サイズ・硬さ・ヒールなど)による圧力集中。
  • 姿勢の癖や歩き方の偏り(片足重心など)。
  • 手作業・楽器演奏・スポーツでの繰り返し動作による刺激(ペンダコ、吸いダコ)。
  • 足裏の骨の突出や変形による局所圧迫。

応急処置の方法

  1. 1

    患部の圧迫を避ける

    • 原因となる行動を控える。
    • 除圧グッズを使って刺激を軽減する。
  2. 2

    保湿

    • ワセリン軟膏や尿素入りクリームなどの保湿剤で皮膚を柔らかく保つ。
  3. 3

    重度であれば医療機関を受診

    • 出来ている場所や原因によって、適切な治療法は異なる(削る、サリチル酸を含むパッチを使うなど)。

注意点

  • 無理に削らない(出血・感染の原因になる)。
  • 糖尿病や血行障害のある人は自己処理せず医療機関を受診する(感染リスクが高いため)。
  • 靴や姿勢など、根本原因を改善しないと再発しやすい。

魚の目・たこ・いぼの識別方法

魚の目(鶏眼) たこ(胼胝) いぼ(尋常性疣贅など)
見た目 中央に芯のような硬い部分(核)がある円形の角質肥厚。その芯(核)が魚の目のような外観を呈する。 正常皮膚面と同高かやや厚くて平らな角質肥厚を呈する。 表面がザラザラ・ぶつぶつで突起状。数㎜~1㎝大の乳頭状小結節を呈する。
痛み 芯が神経を圧迫するため、押すと強く痛む。 通常痛みはないが、圧が強いと痛むこともある。 痛みはほぼない。
発生部位 足の裏や指の間など、圧迫や摩擦が集中する場所 足の裏や手のひらなど、繰り返し圧力がかかる部位 手掌、足底、顔面、頸部など、どこにでも発生しうる。
原因 合わない靴などによる局所的な圧迫や摩擦 摩擦や繰り返しの機械的刺激 角化細胞へのヒトパピローマウイルス(HPV2/27/57型)によるウイルス感染。
表面 比較的滑らかで硬い。 広く、黄色っぽく、硬くてざらつくことがある。 不規則な形で盛り上がり、顔面や頸部では糸状に細長く突出する。
識別 圧迫部に一致して生じる。 基本痛みがない。足の裏以外にも、身体のあちこちにできる(ペンダコ、座りダコ、子供の「吸いダコ」など)。 角層を削ると点状出血が見られやすい。
うおのめ:皮膚内部に向かって、苦ザビがたいん入り込むので痛みを感じる たこ:皮膚表面に丸く突出

こんな時(キズ・ケガ)にはこの商品

いぼ(尋常性疣贅<じんじょうせいゆうぜい>)

発生原因

  • 皮膚の小さな傷からヒトパピローマウイルス(HPV2型が主)が侵入し、角化細胞へ感染して発症する。また剥がれ落ちた皮膚(落屑)とともにウイルス粒子が放出されることから、他の部位へも感染する。
  • 共用タオル・スリッパ・プールの床などからの感染。
  • 小児の手足背や指趾にできやすい。
  • 足底に出来た場合、「魚の目」や「たこ」との鑑別が必要(足底疣贅)。

応急処置の方法

  1. 1

    むやみに触らない

    • 原因となっているウイルスを広げ、他の部位にも「いぼ」が出来てしまう。
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    共有物の使用を避ける

    • HPVは移るため、家庭内で他の人に移さないようにタオルやバスマットは個人ごとにする。
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    医療機関を受診(推奨)

    • 正しく鑑別診断をしてもらうことが出来る。
    • 治療は液体窒素による凍結療法が一般的であるが、外科的切除やレーザー焼灼、内服薬や外用薬が選択されることもある。

注意点

  • 無理に削らない(出血・感染の原因になる)。仮に削ると、点状出血を来す(「魚の目」や「たこ」との鑑別のポイント)。
  • 顔や陰部などデリケートな部位の「いぼ」(尖圭コンジロームなど)は、早めに医療機関を受診する。
  • 経過中に炎症反応を生じて治癒する場合もある。
  • 「いぼ」と見分けがつかない皮膚腫瘍もあるため、自己判断しない。

魚の目・たこ・いぼの識別方法

魚の目(鶏眼) たこ(胼胝) いぼ(尋常性疣贅など)
見た目 中央に芯のような硬い部分(核)がある円形の角質肥厚。その芯(核)が魚の目のような外観を呈する。 正常皮膚面と同高かやや厚くて平らな角質肥厚を呈する。 表面がザラザラ・ぶつぶつで突起状。数㎜~1㎝大の乳頭状小結節を呈する。
痛み 芯が神経を圧迫するため、押すと強く痛む。 通常痛みはないが、圧が強いと痛むこともある。 痛みはほぼない。
発生部位 足の裏や指の間など、圧迫や摩擦が集中する場所 足の裏や手のひらなど、繰り返し圧力がかかる部位 手掌、足底、顔面、頸部など、どこにでも発生しうる。
原因 合わない靴などによる局所的な圧迫や摩擦 摩擦や繰り返しの機械的刺激 角化細胞へのヒトパピローマウイルス(HPV2/27/57型)によるウイルス感染。
表面 比較的滑らかで硬い。 広く、黄色っぽく、硬くてざらつくことがある。 不規則な形で盛り上がり、顔面や頸部では糸状に細長く突出する。
識別 圧迫部に一致して生じる。 基本痛みがない。足の裏以外にも、身体のあちこちにできる(ペンダコ、座りダコ、子供の「吸いダコ」など)。 角層を削ると点状出血が見られやすい。

やけど

発生原因

  • 炎や火、熱湯や蒸気、鍋・アイロンなど高温による皮膚組織の障害。
  • 化学薬品(強酸・強アルカリなど)による化学熱傷(薬傷)。
  • 電気コードやコンセントからの感電による電気熱傷(電撃傷)。
    ※薬傷や電撃傷は特殊であるため、原因から離れて安全確保を優先したのち、流水による十分な洗浄・冷却後、ただちに受診する。
  • 長時間の太陽光(主としてUVB)による日焼け(紫外線による熱傷)(日光皮膚炎)。
    ※発症後12~24時間をピークとして軽快し、数日で治癒することが多いが、水疱形成がある場合は、Ⅱ度熱傷に準じた治療の必要がある。

応急処置の方法

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    冷却

    • 流水で15~30分程度、やけど部分を冷やす(氷や保冷剤などを直接当てない)。
    • 患部が衣服をまとっている場合、衣服の上から流水をかけて冷やしてよい。
      患部の範囲が小さい場合(広範囲の場合は長時間の冷却は低体温を招くため注意が必要)。
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    衣類・装飾品の処理

    • 衣服が皮膚にくっついていない場合は脱がせてもよい。水疱があれば脱がさない方が良い。
    • くっついている場合は無理に剥がさない。
    • やけどした部位は腫れてくるので、患部に近い指輪などの装飾品は外しておく。
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    保護

    【Ⅰ度、浅達性Ⅱ度の場合】
    • 痛みの軽減のために、ワセリン軟膏(ステロイドや抗生剤の成分を含んでいても良い)を塗って患部を保護する。
    • ハイドロコロイド等の被覆材を使用しても良い。
    【深達性Ⅱ度・Ⅲ度の場合】
    • 流水で冷却し、患部を清潔なガーゼで覆い、医療機関を受診する。
    • 水疱は、進んでは潰さない。
    【患部が広範囲に及ぶ場合】
    • 清潔なシーツ等で覆い、救急搬送する。全身的な集中治療が必要な場合がある。

注意点

  • 冷却はなるべく早く、長めに行う(応急処置の中で最も重要)。
  • ごく軽度であれば、市販の外用を用いても良いが、ワセリン基剤軟膏を選ぶ(クリームは使わない)。
  • 子どもや高齢者のやけどは重症化しやすいため慎重に対処する。

熱傷の程度(深さによる分類)

熱傷深度 所見 知覚 治療 後遺症
Ⅰ度
(EB)
有痛性紅斑、浮腫 痛み(+)
知覚過敏
外用 瘢痕(-)
浅達性Ⅱ度
(SDB)
びらんや水疱(水疱底は紅色) 強い痛み
知覚あり
外用、ドレッシング材(湿潤被覆) 治癒まで2週間程度、瘢痕(-)
深達性Ⅱ度
(DDB)
びらんや水疱(水泡底は白色) 痛み軽度
知覚鈍麻
デブリードマン、植皮、(外用、ドレッシング材) 治癒まで3~4週間程度、瘢痕(+)
Ⅲ度
(DB)
灰白色または褐色の壊死組織や炭化 無痛 デブリードマン、植皮 瘢痕(+)

EB:Epidermal Burn(表皮熱傷) SDB:Superficial dermal burn(真皮浅層熱傷)

DDB:deep Dermal Burn(真皮深層熱傷) DB:Deep Burn(皮下熱傷)

熱傷の程度を表す図

重症・中等症の判断目安(広さと部位)※ここでの重症・中等症は、ただちに受診して入院が検討されるレベルを指します。このレベルには至らなくても、傷が深いもの、受傷範囲が広いものは医療機関を受診しましょう。

重症熱傷の目安

  • 熱傷範囲が、全体表面積のうち小児・高齢者でⅡ度10%以上または成人でⅡ度15%以上、Ⅲ度で2%以上。
  • 顔・手足・関節・陰部・気道など重要部位のやけど。
  • 高齢者・乳幼児・基礎疾患のある人のやけど。
  • 電気・化学熱傷、吸入損傷(気道への損傷)は、皮膚表面だけでなく、内臓や深部組織の損傷が隠れている可能性があるため、外見だけで判断せずに受診する。

★重症・中等症熱傷の場合は、応急処置をして、すぐに医療機関を受診してください。

★また傷が深いもの、受傷範囲が広いものは医療機関を受診しましょう。

【軽症熱傷の場合】やけどの応急処置にはこの商品

凍傷

発生原因

  • 皮膚が強い寒冷にさらされたために組織障害を起こした状態。
  • 凍結による直接的な組織障害。
  • 循環不全に伴う二次的な組織障害。
  • 例)雪山登山、アルコールによる泥酔、職業災害など。
  • 発生しやすい体の部分:手の指、足の指、耳、鼻。

応急処置の方法

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    徐々に温める

    • 室内など暖かい場所に移動する。
    • 40℃の湯に患部を20〜30分ほど浸して、融解する(ドライヤー等の熱風を当てることは、温度設定が難しく、組織を乾燥させるため、してはいけない。またこれより低い温度で緩やかに溶かすのは望ましくない。)。
    • 温めた後は、物理的刺激が加わらないよう保護する。
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    毛布等で全身保温し、医療機関へ

    • 凍傷を負った人は低体温症になっている可能性があるため、温かい毛布などにくるみ、できるだけ速やかに医療機関を受診する。
    • 組織障害の深達度により重症度が評価されるが、どの深さまで凍傷が起きているか、受傷時に判断することは難しいことから、医療機関を受診する。

注意点

  • こすらない・マッサージしない(組織を傷つける)。
  • 直火・ストーブ・ドライヤーなどの乾熱で温めない(皮膚組織が乾燥してしまう、温度管理ができない、やけどの危険)。
  • 凍傷が疑われる部位を再び冷やさない。

★皮膚の状態の判断が難しいので、応急処置をして、すぐに医療機関で受診してください。

医学監修

医師 笹野 紗帆里の画像

笹野 紗帆里 (医師、産業医)

資格

  • 産業衛生指導医・専門医(日本産業衛生学会認定)
  • 社会医学系指導医・専門医
  • 労働衛生コンサルタント(保健衛生)

参考文献・書籍